KEIRIN EXPRESS|日刊プロスポーツ新聞社
HOME
特別競輪
記念速報
コラム
お問い合わせ
リンク
プロスポーツ
赤競.NET
永久保存版オールガイド
FAX-NET赤競
HOME > 特別競輪 > 前橋競輪場「第55回 オールスター競輪」
特別競輪
前橋競輪場「第55回 オールスター競輪」
◆記事タイトル画像◆
 
   
>>決勝戦の赤競.NETを表示する
 福島の同期トリオが鉄の結束で、絆を競走で示した。さすがに同じ釜のメシを食った仲。ミサイル駆けの渡辺に、貫禄の番手・山崎、そしてダービーVでGP出場を決めている成田と、それぞれの役割分担も的確で、その時点でどのラインよりも1歩リードしていた。
  「今回は初日(オリオン賞)の1着もそうだし、決勝も一成くんのおかげですね。最近はF1戦でもしっかり優勝できてたし、少しずつ上積みがあって、今回決勝に乗れば(GP出場も)面白いかなっていう感じでしたね」
  今年はG1制覇が難しく、GP出場が危ういと判断すると、賞金額での出場を目指してせっせとF1戦を渡り歩いた。今回、初日のオリオン賞を制した際も「賞金的もデカイっすね。ここからは金にうるさいですよ(笑)」と冗談めかしていた。けれども、それが思わぬ副産物を生んだ。
  「F1は人気も背負うし、プレッシャーのなかで良く頑 張ったと思います。今回、調子が良くなった原因は、新田康仁さんにシューズのセッティングとかシューズの踏み方を、浅井(康太)くんに自転車の乗り方とか色々聞いたんです。F1が続いたおかげで新田さんと一緒になれて、あれが自分の転機になったと言うか。ここ5場所ぐらい連続で一緒だったんですけど、そのなかで靴のセッティングの話とか色々して、あれを真似してやったら成果が出ました。いいように転がりましたね」
  GPの権利を射止め、あとは年末に照準をしぼるだけだ。
  「今年はここまで88期が全部のタイトルを取ってるのは嬉しいかぎり。今回も(前の頑張りで)取らせてもらったのですごく嬉しいですけど、何よりホッとしたのが一番デカいですかね。あとはGPでうまくできればと思います。ほんとに一成くんと成田さんのおかげで取れました」

 2着には山崎マークから鋭い差し脚を伸ばした成田和也が入線した。「渡辺君が積極的な競走をしてくれたおかげ。彼を出させてしまったらやっぱり強いよ。また、山崎君が追い上げた底力もすごかった。最後は遠慮も無く抜きにいったけど、ダメでしたね」と、かつてナショナルチームでしのぎを削った盟友、そして公私ともに仲の良い友人の頑張りをそれぞれ称えた。
  これで佐藤友和、山崎芳仁と同期トリオでのグランプリ出場が決定した。その件を聞くと「グランプリのことは何にも考えていなかった」とキッパリ。それでも、たしかに3人で決定したのはいいことです」と頬を緩めた。

 岩津裕介は切り替え、切り替えの瞬時が判断が仇となり後方に置かれたが、落車を避けて3着まで飛び込んできた。
  「結果的に良い位置にいられなかった。レースとしてはダメ。もっと前にいなければダメでした。でもG1は何があるかわからないですね。あの展開で表彰台に乗れるとは思わなかった」

 レースは3名が落車する波乱の展開に。バック前から満を持して仕掛けた武田豊樹だったが、落車のあおりで大バックを踏まされては出番がなかった。
  「山崎君が一旦離れていたから追いつくのに脚を使うと思い、番手まくりは打てないと思っていた。状況を見て、最後はまくれるとは思っていただけに、ああいう展開になってしまったのは悔しい。とくに注目度の高いG1の決勝ですから」

 福島勢の先陣をきったのは*渡辺一成。脇本雄太を相手に“世界のダッシュ”で魅せ場を演出して、山崎Vの立役者となった。レース直後はクールダウンに没頭し、記者の質問を次々と遮ったが、時間を置くと淡々とした表情で競走を振り返った。
  「(自分の)やれることは山崎さんの力になること、そして脇本君を相手に抵抗することでした。欲を言えば3人で表彰台に乗りたかったけど、仕方がない。脚を残すことなく、すべての力を出し切れたので」

 小野俊之は落車に乗り上げることはなかったが、1歩目の踏み出しで近畿との連結を外してしまった。
  「ああなったのは今の力ですね。体調が普通に良ければ付いていけたけど…。今回は流れ1本でした。もっと鍛えて出直してきます!」


レース経過
 号砲で各車出渋るが、脇本雄太が誘導員を追って出て行く。隊列は脇本―村上義弘の近畿コンビに小野俊之が付けて前団、単騎の岩津裕介がこれに続き、中団は渡辺一成―山崎芳仁―成田和也の福島88期トリオ、武田豊樹―木暮安由の関東コンビが後攻めの形で落ち着く。
  残り3周の青板前から武田が早くも上昇。渡辺がこれを追っていく。前受けの脇本は武田と少し併走してから7番手まで下げ、武田が誘導員の後位に入る。赤板前に岩津が内をすくって山崎のところまで上昇すると、3番手から渡辺が踏み上げて先頭に立つ。山崎は遅れるが、打鐘で追い上げて再度ドッキング。武田が車を下げると、今度は脇本が一気に仕掛けて渡辺と激しいもがき合いを演じる。渡辺に合わされた脇本は外に浮かされて不発。武田が最終2コーナーから大外をまくり上げると、木暮は狭い中のコースを突っ込んで村上、脇本と接触。木暮、村上、脇本の3人が落車する。この影響で武田も外に飛ばされて後退。番手絶好となった山崎は2センターから早めに踏み込み、直線で力強く抜け出して優勝を飾った。成田が2着に流れ込み、福島ワンツー決着。最終バック9番手から落車を避けて伸びた岩津が3着に入った。
 

HOME このページのトップへ戻る


Copyright(c) 2012 Nikkan Prosports Shinbunsya kk. All rights reserved.
当サイトに掲載された全ての文章、画像について無断転載、直接リンクを禁じます。
お問い合わせは[email protected]まで