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特別競輪
第54回朝日新聞社杯競輪祭
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 最後の大一番、強豪ぞろいの決勝戦を力で制した武田豊樹だったが、敵の動向よりも、最大の焦点は自分自身との戦いだった。「調子は悪い」と、普段は決して弱音を吐かぬ武田が今回、珍しくハッキリと公言したほど。それだけに、レース後は精魂尽き果てた様子で会見に臨んだ。
 「今シリーズはオーバーワークで入ってしまったんで身体がキツかった。スタートはどの位置でもよかったし。後ろなら後ろで、前なら前であまり考えてなかったです。今日は相手と戦うっていうより、身体がキツかった。昨日も長い距離を踏んだし、今日もスタートまで自分の身体を心配してレースを走りました。レースはまくりの形で、後ろに差されるか差されないかの展開だった。去年のリベンジというか、決してまくりは綺麗ではなかったし、フォームもきたなかったけど、自分の最大の武器であるモガキができたと思います」
 次はいよいよ年末恒例のグランプリ。競輪界の頂上決戦に挑むが、新たの戦いに向けてもう一度、気持ちを入れ直す。
 「グランプリは名誉なことですね。でも、4日、5日制のG1を勝つことが僕にとっては最大の目標なので。宮杯を獲ってからも、もう一つ獲るんだって気持ちでレースに臨んでました。だから、まだグランプリのことは考えれないですね。地元記念を優勝して、今回も勝ったんで、とりあえずゆっくり休みたいですね。自分のことをもう一度見つめ直して、グランプリではどういうレースをするかゆっくり考えたい」

 武田にしぶとく食い下がった長塚智広だが、大会連覇はならなかった。
 「バックでキツかった。武田さんが強かったし、強すぎる。離れそうになりました」

 成田和也が最終バックで神山雄一郎をさばいて茨城コンビを追うと、飯嶋則之は成田後位にすかさず切り替え、最後は鋭く伸びた。
 「シビアだったかもしれないけどね。ひりひりしたなかで、ああいう判断ができてよかった。優勝を目指していたので、少し悔しさはあるけど、今日はいい誕生日になったし、自分で自分を褒めてあげたい(笑)」 出方が注目された福島コンビ。

 成田和也は厳しい立ち回りで力を出し切った。
 「どちらか先行態勢に入った方の番手を意識していました。武田さんが赤板で出て、まだ早いと思って様子を見たら後方になってしまった。武田さんのところまでいきたかったんですけどね。神山さんのところで対応できたけど、追い上げるのに脚を使って最後はいっぱいでした」

 GPへラストチャンスにかけた伏見俊昭は9着に終わった。
 「成田に任せた結果だから仕方がない。そこからは自分の力がなかっただけ。終わってしまったので、また来年頑張ります」

 初のG1決勝に挑んだ藤木裕は打鐘過ぎに武田を叩いて先行したが、落ち着いて踏めなかった。
 「もっと色々できたと思うし、もっと落ち着いて行けたと思う。初めての決勝だったけど、悔しい気持ちで一杯です」

 山口幸二はチャンピオンユニフォームを身にまとって走る最後のレースとなった。
 「藤木にはここからなら獲れるってところで行けと行ってたから、まさかあんなに早く行くとはね。もう一杯で武田を止める力はなかった。これでやっと1番車ともおさらば。肩の荷が下りました」

 単騎の後閑信一は見せ場を作れなかった。
 「中近の後ろから攻めて、最後は内を狙うようなレースを考えていました。まくりに合わせて自分で出ていくような脚がないとダメですね」

レース経過
 最内の1番車を利した山口幸二がスタートを出て、藤木裕を迎え入れる。藤木—山口で前受けとなり、単騎の後閑信一。成田和也—伏見俊昭の福島コンビは中団に構えて、武田豊樹—長塚智広—神山雄一郎—飯嶋則之の茨栃4車はじっくり後方に待機。そのまま周回を重ねる。
 青板を過ぎてまずは武田が、バック過ぎから動き始める。前の藤木は武田をけん制しながら早めに誘導を交わすが、その上を武田が押さえて出て赤板を迎える。武田に長塚—神山—飯嶋と4車がすんなり出切る。福島勢は5、6番手にスイッチして、藤木—山口に後閑で一本棒。先行態勢を取った武田が徐々にペースを上げるが、藤木は7番手からすかさず反撃。打鐘目掛けて襲い掛かる藤木が、武田を叩いて主導権を奪取する。山口、後閑と続き、武田は4番手まで下げる。後方の成田が4コーナーから追い上げ、最終回へ。
 藤木が快調に逃げて、武田は4番手で態勢を整えると武田後位がもつれる。成田が長塚の横まで追い上げるが、長塚が成田を弾き武田後位を守る。浮いた成田が神山の前に割り込み、伏見は続けず飯嶋が成田に切り替える。武田は2コーナーからまくり上げる。絡まれて一瞬遅れた長塚が武田を懸命に追って、成田、飯嶋の追走。武田のスピードが良く、山口は止められない。逃げる藤木を武田が3コーナーでとらえ、あとは後続との勝負。長塚、成田、飯嶋の順で武田に続き、直線へ。
 武田のスピードは直線でも衰えず、長塚の追撃を楽に振り切って競輪王の座に。武田との差が詰まらなかった長塚は2着まで。成田は直線でいっぱい。4番手から飯嶋が外を伸びて3着。

 

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