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特別競輪
ガールズグランプリ2012
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 先行宣言に偽りなく加瀬加奈子が主導権を握って出る。スタートで大外の中川諒子を制し前受けの小林莉子が、結果的には願ってもないXポジション。加瀬の番手を打鐘過ぎに手に入れた。
 「もちろん1番車だったんで、いつも通りスタートを取って。本当は突っ張ろうと思ったんですけど。力勝負をしようと…」
 小林の飛び付きを警戒して、赤板手前から上昇した加瀬には誰も付いていかない。単騎での上昇となった加瀬との踏み合いを避けた小林に、難なく番手が転がり込んだ。そこからは気持ちを切り替え、ひたすらX獲りに徹し脚力を温存した。
 「加瀬さんが一車で来て、まだまだ自分の力が足りずに番手にはまった。そこからは勝ちだけを意識して、最後の4コーナー勝負だと思いました」
 10代とは思えぬ冷静さで番手をキープ。後続を引きつけての追い込み勝負で、先頭でゴールを駆け抜けた。小林は初代チャンプを確信して、左手を高く挙げファンに応えた。
 「ここまで自分の力だけじゃなく、家族や師匠、兄弟子の岡田征陽さん、ずっと練習を見てくださったみなさんに感謝したい気持ちでいっぱいです」
 ガールズケイリンとして産声を上げたオープニングの7月シリーズで、誰よりも先に優勝を飾ったのも小林だった。初代女王の座に就いた小林が、新たな歴史にまた名を刻み、12年の賞金女王の座も射止めた。
 「最初の優勝もそうですけど、節目、節目に勝てて本当にうれしいです。それでもこの一戦でまだまだ力が足りないことを思い知らされました。このメンバーでは自力で勝てないことを痛感しました。これからは人一倍練習をして、今度は1周半逃げ切れるような選手になりたいです。この賞金で家族と沖縄旅行にいきたい。高校時代はソフトボールをやっていて、家族を振り回してばかりだったので」
 家族想いのシンデレラガールは、19歳でまだまだ伸び盛り。13年のさらなる飛躍と精進を約束して、きりっと唇を結ぶのだ。

 我が道をまい進する加瀬加奈子は、差されても悔いなしの主導権。ゴール前は力尽き失速の3着も検車場での振舞いは、さすがに男前。
 「(優勝賞金の)500万円よりも、先行が欲しいと思ってたんで。あとは2センターからに根性が足りなかったなかった、鍛え直します。ただ、先行にビビって体が動かないこともなかったし。これからも日本を背負っていくには先行でいきます」
 負けはしたが先行のスタイルにこだわる加瀬には、誰によりも華がある。

 3番手の荒牧聖未が車間を空けて後続の踏み出しに合わせて踏み込んだが、加瀬の掛かりがよく車が進まない。結果的に小林マークで2着の準Xも、仕掛けた勇気は評価できる。
 「後ろの動きが気になってうまく仕掛けられなかった。コーナーがうまく踏めなかった。もう少しコーナーでうまく踏めていたら、伸びもよかったんで違ったかもしれない。でも、この2着が今の実力です」

 加瀬と人気を分けた地元の中村由香里は、最後方に置かれて見せ場なし。まさかのシンガリに惨敗に、しばし茫然自失でフリーズ。
 「応援してくれたファンの方々に申し訳ない。レースに対してはいつも通り臨めたつもりだった。難しいですね…」と、言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。

 スタート取りに失敗した中川諒子は、中団から仕掛けられず終了。複雑な表情で帰り支度を始める。
 「加瀬さんに付いて行っても、(小林)莉子は入れても1車だと思った。外併走だと苦しいんで、みんなそれを恐れてああなったんでしょうね。それでも自分で攻めていかないと…」

レース経過
 中川諒子がいち早くスタートを取りに行ったが、最内の小林莉子が有利に誘導の後ろを取った。初手の並びは小林、荒牧聖未、中山麗敏、中川諒子、加瀬加奈子、増茂るるこ、中村由香理の順で落ち着く。
 淡々と周回が進み、赤板ホームから加瀬が単独でゆっくり上昇していく。加瀬は小林の横に並び、ジャンで誘導が退避すると、前に踏み込んで先頭に立った。番手に小林がそのまま入り、以下隊列に変化はなし。先頭の加瀬が後方の様子を何度もうかがう一方で、後ろもお互いが警戒し合って動かない。そんななか、加瀬は徐々にペースを上げて主導権を握った。加瀬が逃げる一方で、3番手の荒牧が車間を斬って追走。中川が後方からジリジリと上がってくると、荒牧が合わせてまくり出る。しかし、伸びは今ひとつ。4コーナーを回り、各車力比べとなったが、最後は番手の小林が追い込んで優勝。荒牧がマークする形で2着。加瀬はゴール寸前で失速して3着に終わる。

 

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