車券が下降線をたどり、停滞気味でどうもいけない。 「こんなことではGPを勝って年を越すことはできね〜。 ナントか(いやナントしても流れを変えたい)」と思っていた。 そこで例によって「困ったときの神頼み」。 で池の脇のお稲荷さんが目に止まり、当然自己中のお願いをする。 いつもだと111円をお賽銭にするのだが、持ち合わせがなく10円で済ませ気分一新。 このときひとつの絵馬が目に飛び込んできた。 たしかその絵馬には「競輪選手並みに稼げますように」と書いてあったようで・・ 「ゲッゲ〜!オレより欲深な御仁がいる」。 このお参りが功を奏したのか、出だしは好調。車券も堅かったせいもあるがオーバル予報会はバッチリ。 一回目が終わって控室にもどりくつろいでいると、隣の部屋で懐かしいローラーの音が聞こえる。 気になりのぞいてみると誘導部屋である。 参加選手でない誘導員は気楽なもので、部屋でゴロゴロしてたり、雑談に花を咲かせ和やかムード。 普段の競走とはまったく違い、緊張感は10分の1程度。 オレを見つけるとミカンを差し入れてくれ、お返しに場内から串揚げを買ってきてミンナに振舞うと、 誘導を引く直前なのにその串揚げを頬張りながら、バンクに向かう誘導員・・。 競走選手ならゼ〜ッタイに緊張感でゲロを吐くのに・・・ まったくそんなそぶりを見せず、 規定タイムで誘導を完了しケロっとして戻ってきた。 (いや〜、たいしたもんだ) と感心してる間に2回目の出番となり、これも人気サイドで堅く決まってOK! このシリーズはそれほど儲からなかったが、いいキッカケをつかみ流れをモノにした。 今年のGPはやれるッ!!
一宮記念展望の仕事で、スピードチャンネルに通ってた。 電車を乗り継ぎ5日間も通うと、サラリーマンになったような錯覚に陥る。 ちょっと違う、午後から出勤するところぐらいか。 最終日も展望をなんとかこなし、家に帰って晩酌をしながらテレビを見る。 記念展望に映ってるおのれの姿を不思議に思いながら酒をあおり就寝。
前の晩少し飲みすぎたようで、頭がボーと・・。 頭をシャッキリさせるため風呂に入りうっすら汗が出たところで湯船からでて頭を洗う。 いつものパターンで、シャンプーのついでにそのまま残った泡で顔も洗う。 ところが、深酒が祟ったのか顔が脂ぎりスッキリしない。
カミサンの洗顔石鹸らしきモノを見つけチューブからそれを取り出し顔を洗うとヌメヌメ、ヌルヌル・・・? 泡が立たない? やり方が間違ってるかも・・再度チャレンジするも同じである。 ラベルを読むと○○トリートメント(髪に潤いをあたえ・・)等々書いてあった。 「ゲッゲ〜」やっちまった。 気を取り直し湯船に浸かり、「あっそういえば昔・・・」とデビューしたてのことを思い出してしっまった。
あれは確かデビュー4戦目か、5戦目に一宮へ参加したときのこと。 おやじさん(師匠 須藤一男)と一緒の開催とあって心強い。 (当時は競輪場の宿舎の風呂場にはシャンプーが置いてなく、石鹸で頭を洗う人や持参する人もいた) おやじさんに喜んでもらおうと、オフクロに頼んで携帯用のシャンプーを買ってきてもらい持参した。 (これが失敗のもととは気がつかず) 前検日の夕方おやじさんと風呂を浴びに行き、頭を洗う段になりシャンプーを渡すと泡がでない。 「ヒデ、どうなってんだ?」と「もっとシャンプーをかけたらいいですよ」と答えるもまったく泡が立たず・・。 ラベルをみるとそこにはリンスと書いているではないか・・・。 風呂場にいた先輩たちもこの光景を目の当りにし、大笑いをしたのは言うまでもない。
30年も前のことを思い出せるのもこうゆう失敗があってのこと。 たまにはこんな失敗も過去を思い出させてくれる、格好に失敗で許せるぜ!
そんな中、同期会を一番楽しみにしていたのは、学校を退学させられ選手になれなかったMで当時のまんま、時間が止まってしまっている。 選手になれた者には忘れてしまっていることを、こと細かく覚えておりそれを聞かされるとちょっと寂しい気持ちにさせられるのはオレだけか・・・。 ともあれ全員が無事最終日を迎えて楽しい同期会にしたかったのだが・・・。 健坊(山口)が初日に気合を感じさせるレースをし突っ込んでいって落車。挙句に鎖骨、肋骨を骨折と悲惨なことになってしまい同期会は欠席。
同期会当日の午前中に、入院先の病院にお見舞いにでかけたが、本人はいたって元気で歩き回っている・・。いやあ、これには驚かされみんなも病室にいることを忘れ、大声になり話が弾む。 すると婦長らしき強面の人がドアを開け「病室ですよ、静かにしなさい!」 と一括されシュン。
名残惜しいが、病院を後に同期会の目的地である茨城県の波崎に向かう。 道中腹が減り昼食をとる事になりラーメン屋に立ち寄った。 すでにお遊びモードで昼間から酒を頼み軽く一杯。 現役組などはラーメンのほかに大盛り飯をぺロッとたいらげる。 さすがに、これには面食らった・・。 この食があるから現役を続けられるんだなと・・。 サプリメントを主食と勘違いしている若手選手が多い昨今、「大飯を食って練習をする」基本のこの姿をみせてやりたい。 ともあれ現地に到着して風呂に入り、同期会を挙行。 そこには当然コンパニオンさんも呼んで予定通りに。 その晩は当時にタイムスリップしハシャギまくり大変な盛り上がりであった。 紙面で内容をお伝えすることができないのが残念だが、久しぶりに大笑いの連発で腹筋がツルかと思うほど・・。 翌日は「来年も!!」と約束をし、元気に何事も無かったようにそれぞれが家路に返っていった。