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コラム

さとうゆみの輪くるライフ


No.1は誰?
2007.12.26

  週末の三連休は日本全国、クリスマスフィーバーの様相でしたね。
  青色発光ダイオードが一世を風靡して以来、年々イルミネーションは華やかになるばかり。SPEEDチャンネルのスタジオがある東京ドームシティなんて、もうくらくらしちゃうくらいビッカンビッカンです。

  競輪以外のイベントごとにはあまり興味のない私も、さすがにあの派手な輝きにはびっくり、うっとり。私にも結構ロマンチックなところがあるじゃないの、と妙に感心したりして。んふ。
  しかし、連れ立って歩くのは、仕事帰りのイッパイに付き合っていただくSおねぇさまとか、旦那さんが仕事で暇にしていた中学の同級生とか。実は彼女、競輪ファンなのです。
  そして、乾杯しながら盛り上がる話題は…もちろんKEIRINグランプリ07!!  やっぱり、ちょっとロマンチックとは別世界にいるなぁ、私。

 今年のグランプリシリーズは展望を担当します。
 ヤンググランプリとグランプリでは解説の方をいつもより多くお迎えして、それぞれの予想をお聞きすることになっています。楽しみだわ。しっかり車券の参考にしなくちゃ!!
 
  それとは一足早く、先日伊東温泉競輪場で専門解説6名が大集合しました。工藤さん・荒木さん・緒方さん・久保さん・木庭さん、そして我らがコラム仲間の吉井さん。
  実はこれ、SPEEDチャンネルの新春特番です。皆さんに解説者No.1をめざしての頂上決戦、車券バトルをしていただきました。いつもはクールなあの方とか、とってもダンディなあの方とか、やっぱりそうなのねというあの方とか、解説の皆さんの素顔を垣間見ていただけると思います。
 
 その中でも面白かったのが宴会シーン。温泉に浸かって、風呂上りにビールでぶっちゃけモード。宴会場をお借りしていた時間などに制約があったので、ディレクターからは「はい、そろそろ次の話題を!」と指示がくるのですが、皆さんそんなことはおかまいなしで話す話す!もうとまりません。

  一番盛り上がったのはやはり現役時代の思い出話。それぞれ少しずつ時期は違うものの、その時代を築き、戦っていた歴史の重さを感じました。と同時に、すごいなぁ、うらやましいなぁって。人生の中で特別に輝ける瞬間を自らの脚で駆け抜けるってすごいです。
  皆さんのお話を聞きながら、「競輪選手ってかっこいいな」と改めて思ったのでした。

  まぁ、ときどき…いえ、頻繁に、放送では使えない言葉も飛び交い、進行係としては、ヒヤヒヤしましたが、いつまでも聞いていたくなるような楽しいお話でした。

  で、肝心の車券勝負を制したのは?それは見てのお楽しみ。
  事実は小説よりも奇なり。正真正銘筋書きのないドラマは感動?の幕切れとなったのです。

  さて、今年のグランプリはどんなシナリオが用意されているのか?頂上決戦のときはもうすぐです!!


冬の映画
2007.12.12


 麻雀の虫、ですか・・・。
 前回の吉井さんのコラムを読んで、そういえば私も随分麻雀をやっていないなぁ、と思い出してしまいました。一時は、といってもずいぶん前ですが、毎週かならず皆で集まって徹夜でやったりしていたのになぁ。
 でも、最近の若い人はあまり麻雀をやらないようですね。私たちの頃は、学生の遊びは麻雀、みたいなところがありましたけど。

 高校時代(先生、ごめんなさい)、マグネットつきの麻雀が流行ったことがありました。自由な校風の学校でしたが、さすがに机をくっつけてジャラジャラするわけにはいきませんので、ひとつの机にのるくらいの小さなマットに、ぺトンペトンとはりつく麻雀牌を並べます。マット自体がせいぜい30・ですから、きわめて小さく、取り扱いにくいのです。
 学生が買える安物ですし、磁石も弱くて、ツモるたびに他の関係ない牌までポロポロ落ちたり、めくれたり・・・。混ぜて再度並べるときなんてもう大変。だって、ほとんど一塊になってしまうのですから。それを一枚一枚根気よくはがして並べるのです。
 あー、憧れの全自動卓。いつか金持ちになって買ってやる!
 そう、若者たちは熱い思いを抱いたのです。その後立派な大人になったかどうかは定かではありませんが・・・。


 さて、いよいよ寒さも本格的になってきました。今年はインフルエンザの流行が早いようですね。実は私、大人になってからインフルエンザの予防接種を受けたことがありません。今年は受けたほうがいいかな、と思い迷っていたのですが・・・「もう、遅いんじゃない。それに、予防接種、あわないと逆にすごく具合悪くなったりするみたいよ」と母の一言。
 結局、決心がつかないままズルズルと来てしまっています。

 ふむ、今年も徹底した予防で乗り越えるか。防御は最大の攻撃なり。
 どんなに怪しいといわれようが、どこに行くのにもマイクと手袋は必須アイテムです。特に電車とタクシーは要注意!!
 あとはカラオケボックスや、映画館などにも危険がイッパイ!!
 これは行かないにこしたことはありません。冬の映画館にはもう何年も行っていません。どんなに大作・話題作が公開されてもじっと我慢です。

 が、しかしっ、今年はどうしても観たい映画があるのです。

『マリと子犬の物語』

 主役を演じる柴犬のあの愛くるしい表情。ポスターの前に釘付け。たたずむこと数分間。

「見なくちゃ、絶対に見なくちゃ」

 きっと泣くだろうな。しかも号泣する自信があるなぁ。
 だって、CM見ただけでもう泣いちゃってますから。

 東京のとある映画館で、マスクをしながら号泣している怪しいオンナを見かけたら、どうかそのことは内緒にしておいてください。


嵐の沖縄にて・・・
2007.11.28
 2007年も残りすくなくなってきましたね。

  今年最後のG1・全日本選抜競輪の開催が近づいてきました。GPメンバーがどうなるのか?賞金争いの行方は?決勝2着で1450万でしょ、3着で950万で…この人が2着で、あの人が3着だったら…などとよそ様のお財布の計算に気をもむ日々です。

  そうこうしているうちに街中すっかりクリスマスのイルミネーションに彩られ、商店街では歳末大売り出しの旗がハタハタとはためいています。(やばい、最近この手のおやじギャグが増えてきた…)

  さて、年末になるとこれまた気がかりなのはマイル。せっせと貯めたのに、期限切れになってはもったいない!マイルで飛ばなくちゃ!

  というわけで、前置きが長くなりましたが、マイル消費のため、ただいま沖縄に来ています。

  忙しい時期に来てしまった罰が当たったのか、季節はずれの台風の影響でお天気は大荒れ。今年の海納めとばかりに、はりきってウエットスーツやフィン、ウエイトまで持って来たのですが海に入れる状況ではありません。

  何事もあきらめが肝心。自然には勝てません。

  そこで海をあきらめて、シーサー作りに挑戦してきました。
  沖縄はガラス細工とともに焼き物もさかんであちらこちらに窯があります。せっかくなので粘土を使って自分ですべての形をつくる本格的なもの?にトライ。「所要時間1時間半」と書いてありましたが、予想以上に夢中になってしまい、「どうせなら鬣をふやして」とか「爪もつけちゃえ!」とよくばっているうちに、気がついたら2時間半!いや、三時間位かかったかも。
  結構集中してやったので終わったらぐったり。
  完成品は窯に入り、ひと月半後に自宅に送られてくる予定です。

  シーサーは沖縄の守り神。神社の狛犬とちょっと似ていますが、沖縄の人たちにとってはなくてはならない身近なもの。屋根や門、いたるところにシーサーがいます。名護の市役所の屋根などはシーサーだらけ。
  街を歩いているといろいろな表情のシーサーに会えて楽しいです。
  シーサーは雄雌一対になっているものが多いのですが、右側の口を開けているのが雄。左側の口を閉じているのが雌です。地域によっては右と左、逆におくところもあるそうです。雄が幸運を呼び込み、雌はそれを逃がさないようにパクッと食べるのだとか。

  もちろん食べる方を作ってきました。
  シーサー効果にあやかって、全日本選抜はパクッと当たり車券をいただきたいと思っております!


亀に逢いに・・・
2007.11.14
 松山から帰ってきました

 はじめての松山記念中継。優勝は北津留翼選手。堂々の逃げきり。強かったですねぇ。早くも二回目の記念制覇です。年末にはヤンググランプリ、そして来年には大きな目標の北京オリンピックがあります。これからの活躍が益々楽しみです!

 さて、松山記念は古くから『金亀杯争覇戦』という冠名で親しまれています。松山市のシンボル松山城の別名が金亀城であることからつけられたそうですが、そもそもその謂れは松山城の姿が金色に輝く亀に見えたからとか、松山城のお堀を作るときに金色に輝く亀が現れたとか、いろいろな言い伝えがあるそうです。
 なんにしても『金の亀』というのはおめでたい、ありがたい感じがしますよね。

 鶴は千年、亀は万年。昔から長寿のシンボルとして縁起がいいとされている亀。金の亀のマスコットをお財布に入れておくと金運が上がる、なんて話もあります。

 遠く離れたHAWAIIでは、亀はHONU(ホヌ)と呼ばれ、海の神様としてとても大事にされています。

 数年前にハワイ島のプルナウ黒砂海岸に行ったときのこと。
 ここは溶岩が砕けて出来た黒い砂が特徴で、海亀が砂浜にあがって休憩することで知られる場所です。日本人のツアーバスもよく立ち寄っています。
 ちょうど海から上がって気持ちよさそうに甲羅干しをしている亀に近づいた日本人が、亀に触ろうと手を伸ばしたそのとき・・・

「へーい、ゆー! どーんっ、たっち、あ、たーとぉーっ!!」
(Hey,you!Don’t touch a turtle!!)
※駅前留学で教わったのですが、海亀はturtle、陸亀はtortoiseと言うそうです。

 現地の人がものすごい剣幕で日本人に怒りました。

 そんな風に守られているからでしょうか。HAWAIIの海でシュノーケリングしていると海亀に出会うことが多いのですが、意外と逃げたりせずに、一緒に泳いでくれます。
 ゆったり四つのひれをパタンパタンと仰ぎながら、ゆらゆら漂うように海を泳ぎます。こちらもそれにあわせてパタンパタンと真似しながらとなりで亀泳ぎ。ときどき瞬きなんかしちゃって、これが可愛らしく、かつ神々しいわけです。
 癒されちゃうんだよなぁ。

 ウサギに勝つのはカメしかないか。

 というわけで駅前留学クーデターの心の傷を癒しに、HAWAIIの海亀に会いに行ってきまーす!


クーデター!?
2007.10.31
 早いものでもう11月です。
 今年の10月は秋というには中途半端で、紅葉も遅いし、なんとなく季節感のないまま過ぎてしまったような感じがします。
 11月も暖かいとか。でも冬は一気に猛烈に寒くなって、場合によっては豪雪も、などという恐ろしい天気予報を聞いておののいております。
 これは地球の歪み・・・なのでしょうか!?

 日本経済も歪みっぱなし。
 食品加工業者の賞味期限改ざん問題、政治家の接待問題、あきれるようなニュースがあとをたちません。

 歪みのあとには大きな反動がきます。クーデターです。

 なんだ、さとう、今日はどうしちゃったんだ? って???

 実は、何を隠そう、ついにワタクシもクーデターに巻き込まれてしまったのです。ピンクのうさぎさんでおなじみの、駅前にあるあの英会話学校の事件です。

現在、私も駅前留学中。このところ3ヶ月ほど忙しくて通っていなかったのですが・・・つい半月ほど前までは
「最近いらっしゃいませんが、いかがおすごしですかー? 次の予約はいかがですかー?」
としつこいくらいに電話がかかってきたのに・・・。
 今月20日頃、急に『(私が通っている)○○校は諸般の事情により、11月1日をもちまして、(おとなりの大きな駅の)○○校と統合させていただく運びとなりました。うんぬんかんぬん・・・・』という葉書が届き、これはなんだか雲行きが怪しいなぁと思っていた矢先のクーデター!!

 その日のトップニュースは亀田興毅選手の記者会見。30分もかけて報道されたあと、突然今度はピンクのうさぎがテレビに出てきたわけです。びっくりしたなんてもんじゃありませんっ!

 現在、会社更生法が申請されているようですが難しそうですね。楽天の三木谷社長のつれないコメント・・・今年は野球で4位に入る大躍進!その勢いをかって、うさぎを救ってほしかった。

 当事者の生徒たちはなすすべなく、呆然としております。どこに電話をかけても誰も出ないし・・・「生徒さんたちに通知をする切手代もないのです」なんて報道されているし・・・。
 講師も給料がもらえず、帰国するお金すらなく、自国の大使館に相談に行ったりしていると聞きました。
 ちなみに私は授業料をすでに払い済。これは泣き寝入りするしかないのかしら? いったいそのお金でどれだけのビールが買えたと思っているのっ!! 秋の夜長、悔しくて眠れません。

 世の中にはこうして理不尽な思いをして、悔し涙を流している人たちがたくさんいるんでしょうねぇ。

 結局、私の英語も歪みっぱなしのまま、駅前留学は勝手に終止符を打たれたのでありました。


ニャロメ車券
2007.10.17

 防府に行ってきました。
 
 開設58周年記念周防国府杯争奪戦、優勝は加倉正義選手。
 
 33バンクでの攻防は激しいですね。ハラハラドキドキです。波乱のレースも多く、三連単60万車券が二本も!確定板に表示された瞬間に場内にはどよめきとため息が・・・。
 いいなぁ、とった人・・・。

 先日の共同通信社杯ではビッグレースでは珍しいあわや100万円という配当も・・・。
 いいなぁ、とった人・・・。

 高配当をとる秘訣その1、狙った選手からひたすら流す。
 その2、定置網法・・・数字を決めて網を張り続ける。
 中には予想してとちゃったなんて超ツワモノも・・・。

 私もどちらかというと穴党ですが、それでもなかなか十万超のところには手が伸びません。中途半端な穴狙いで、どんどん深みにはまっていくのがいつものパターンです。
 誰かから流すことはあっても、定置網法はめったにしません、、、が、、、実は時々気まぐれに286車券というのを買うことがあります。
 うちにいた愛猫の名前がニャロメ。に、や、ろ、で286。8と6が入っているので来たら結構な配当になると思うのですが、これが出ない。過去10年(正確には三連単がはじまってからですからまだ6年ですが)間、一度もなし。ふぅ。
 いつの日か私も諭吉のレンガを掴みたい。その日を信じて286!

 さて、一年ぶりの防府。ちょうどフグが解禁になったばかり。
 去年ロケで行ったのもこの時期だったのですが、なぜかフグではなくスッポン料理を食べたのです。フグを食べられなかったのがその後もずっと心残りで、今年はしっかりいただいてきました。

 車券でとったのかって?
 いえ、いえ。これまでの経験から言って「車券で勝って○○をする」などというのは叶ったためしがありません。ですから、どうしても食べたいものは勝負の前にいただくことにしております。おかげで四日間の英気を養うことができました。

 今回もニャロメ車券にはお目にかかれませんでしたが、若手の活躍あり、トップ選手の力の攻防あり、興奮の四日間でした。

 防府の山はまだ青々としていましたが、ところどころ赤く色づきはじめていたようです。

 今年のG戦線も残りわずか。賞金争いの行方、最後のG1、、、
のんびり秋を楽しむ間もなく一気に季節は加速してGPシーズンに突入しそうですね。

 出ないかなぁ、286・・・。


やっぱり理由が
2007.10.3
 今年の取手記念はスタッフ・キャスター、こぞって取手にお邪魔し現地からの中継となりました。前検日と二日目は真夏のような暑さ、後半はうってかわって10月下旬の気温で少々お天気荒れ模様。
 しかし、場内はいろいろなイベントで賑わっていましたねぇ。
 特に助さん格さんに扮した吉井さんと伊藤克信さんの予想会は、吉岡さんをもってしても暴走とまらず!というほど盛り上がったとか。

 優勝は佐々木則幸選手。二日目には落車のアクシデントもありましたが翌日の準決勝は逃げ切り!結果、ご自身の中でもふっきれるものがあった、とくに久しぶりに逃げの決まり手がついたのがすごく嬉しい、と。それが優勝につながったのかもしれませんね!
 賞金ランキングでは上位に顔を出してはいませんが、このあと共同通信社杯、そして得意な熊本バンクでの全日本選抜がありますから楽しみです!

 さて三日目の晩、私たち出演者とプロデューサーのみなさんとで食事に行こうということになり取手の街へ。しかし土曜日ということもあってどこも満席。
 
 中継を終えてすっかりひもじくなっている出演者たちは「お腹がへった。なんでもいいから何か食べたい」と親鳥に餌をねだる雛のようにピーチクパーチク。
 いえ、すみません、白状します。「早くビールを飲ませてくれ」と一番ピーピー言っていたのは私です。「贅沢はいいません。どこでもいい!」

 すると一軒、誰も入っていない小料理屋を発見。和風の引き戸に暖簾、店構えはそこそこな雰囲気。お店を開けたばかりでまだ誰もいないのかしら?カウンターしかないけど、全員座れそうだし「ここにしちゃいましょー!」と我先に店に入る私。

 ん?んん?

 ここで私のアンテナがピピッと立ちました。

 あやしい。いや、正確には不吉な予感。   

 カウンターには一組ずつ和風のお盆とお箸がセットされているのですが、うっすらと埃が・・・。

 そこへサササッと小さくて茶色いゴ○ちゃんが現れました。しかも二匹!大騒ぎするのも大人気ないと思い、必死に灰皿を逆さまにして閉じ込めようと捕獲に乗り出す私。しかし、やつらは二匹ともお盆の下から出てこない・・・。
 そこへやってきた女将さん、「あらごめんなさいね」と持っていた布巾であっさり退治。

 普通だったらおつまみからスタートし、あれこれ注文して翌日の英気を養うところなのですが・・・全員、最初から丼物を頼みはやくも撤収、〆モード。ぬるーいお茶漬けやら、お湯の中にアサリがぽつんと入っているだけのダシの味のしないうすーいお吸い物やらを早々に平らげ退散したのでした。

 人がいないのにはやっぱり理由があったのです。
 身をもって学んだ私たちなのでした。

オールスターを終えて
2007.9.19
 第50回オールスター競輪土佐路決戦、優勝は飯嶋則之選手。レース後にインタビューをさせていただきましたが、終始ご本人が「とっちゃってすいません」と謙遜されていて、なかなか実感が湧かないようでした。でも、めぐってきた大きなチャンスを一発でモノにするというのは本当にすごいことです。
 
 敢闘門に引きあげてきて放心気味な飯嶋選手の笑顔と対照的に、手で顔を覆い、無念の表情を見せていたのが佐藤選手でした。悔しさは必ずバネになるはず。今シリーズもその強さと層の厚さを見せた北日本勢。全日本選抜、そしてGPとこれからの動向はますます目が離せません。

 今回私はスピードチャンネルの展望番組を担当し、最終日に慌しく現地入りしました。

 最終日の検車場は決勝に向かっていく緊迫感と、レースを終えた選手が去り閑散としていく寂しさと、なんともいえない雰囲気があります。徐々に静まり返っていく様が余計に決勝への緊張感を高めるようにも感じられます。

 一方で、最終レースを終えた選手たちはそれまでの緊張から解き放たれ、饒舌になり、ようやく本来の笑顔を見せてくれるようになります。私はそんな選手のオンとオフを見るのが好きです。
 
 何億ものお金を賭けてもらい、自身の栄誉とプライド、プレッシャーを背負いバンクで闘うギャンブルレーサーも、レースを終えれば普通の若者。その重責が大きければ大きいほどオフのときに見せる顔はびっくりするくらい新鮮で魅力的です。噂によると芸達者な選手も多いとか。そういう選手たちの素顔をもっと皆さんに紹介できたらいいのになぁ。

 それにしても今回の決勝戦、吉井さんのお弟子さん・鈴木誠選手をはじめ
遠澤健二選手、豊田智之選手と40代が三人も勝ちあがりました。ちょっとぉ、イマドキの40代、いいんじゃないのぉ!と同世代として嬉しくなります。
 
 鈴木選手がボソッと・・・

「たいへんですよ。下手すると自分の子供に近い年齢のやつらと勝負するんですから」

 ですよね。でも、だからこそカッコいいじゃないですか。これからも若者に

「くっそぉ〜」

 とギリギリさせて頑張ってください!
 
 今年のG1もついにあとひとつかぁ。
 まだ9月だけど、なんだか気持ちは12月に向かっていくなぁ。どうなるのかなぁ。

 秋の夜長、虫の音を聞きながら、オールスターが終わった祭りの後の寂しさにしみじみひたってしまうのでした。


シュウカツ
2007.9.5
 セカチューといえば…世界の中心で愛を叫ぶ。 
  で、コーヒーチューといえば…コーヒーの焼酎漬け。これが香ばしくてクイックイッ飲んでしまえるのです。
  面倒な世の中、言葉だけでも簡略化したい気持ちはわかるような気がします、が…。

  先日、歳の若い友人に誘われてウェイクボードに行ってきました。彼女はその翌日30歳の誕生日を迎えるというので、20代最後の思い出作りに付き合ったのです。
  当日のボートにはさらに十歳近くも若い、屈託のない笑顔の好青年が同乗。仲間と連れ立つわけでもなく、一人でひょっこり参加していました。彼は若干21歳ながらIT企業を立ち上げて成功している、いわゆる勝ち組の若者。 聞けば二週間で5回もウェイクボードをしに来ているとのこと。うーーーーむ、金持ちだぁ。

 「お友達とは一緒に来ないの?」

  とするどいツッコミを入れる我が友。

  「うーーん、本当はそうしたいんですけどねぇ。みんなシュウカツなんですよ」

  「そうなんだぁ」

  友人は普通に聞いておりました。

  シュウカツ?
  何?週末でカツカツ??お金がなくて貧乏ってこと???
  しかしその日は木曜日…週末のような、そうでないような…。
  わからない!

  「ね、シュウカツって?」

  と聞いた私をポカンと見つめ、

  「えっ?言わない?就職活動よ」

  「……。言わない」

  その日は他に友人と同世代の女性と40近い男性がいたのですが、若い女性は「うんうん」と当然のごとくうなずき、一方男性のほうは「いやいや知らない」と私と一緒に顔をヨコにブンブン振っていました。

 いつからシュウカツになったんだろう?
  現在の30歳〜40歳の年代のどこからか始まっているはず。

  そんな話を事務所の社長としていたら、

  「そういえば、アオタンて知ってる?」

  「えっ?花札?」

  「ちょっと、さとう、せめて青あざとかそういう発想してよ。青山短期大学のことよ。この前面接したコがね、私アオタンですって言うのよ。だめだわ、どんどんついていけなくなる」

  同感。競輪用語だったら自信あるんだけどなぁ。若者言葉の本でも買ってこようかな。

  さて本といえば、吉井さんにご紹介いただいた『風のしま』、読者プレゼントをしていただけることになりましたのでよろしかったらご応募ください。ご意見・ご感想もお待ちしております!


若気の…
2007.8.22
 吉井さん、マスタークラシックレースお疲れ様でした。バンクを湧かせた名選手たちがママチャリを漕ぐ姿はとても可愛らしくて(失礼!)、微笑ましく拝見しておりましたが…そうでしたか、やっぱり皆さんメラメラだったのですね。
 でも、そんな『若い気持ち』になることって素敵だと思ってしまいます。

  先週、私は両親の故郷である新潟に墓参りに行ってまいりました。被災地の柏崎から海岸線をおよそ30kmほど西へ行ったところです。おかげさまで地震の被害はほとんどなく、両家の墓も無事でした。
  出発前に、ご先祖様の応援で大きな車券をとった吉井さんから
 「墓、ピカピカに磨いてきたほうがいいぞ!」
 とありがたきアドバイスをいただきました。
 そうだ、それだ!
  38℃を超す猛暑の中、汗をだくだく流しながらいつもより念入りに墓掃除。しかし、車券で儲けたい一心だという魂胆はご先祖様にミエミエだったようで、真夏の記念競輪三連続開催はひたすらやられっぱなし。はぁ〜。

  そんな切なさを吹き飛ばすような嬉しい誘いが・・・。
  高校時代の仲間たちと久しぶりにイッパイやろう!ということになったのです。  このイッパイはもちろんoneではなくfull。
  その日は展望の仕事がありましたので私は遅刻参加だったのですが、本番が終わり、フロアースタッフから「OKです!」の声がかかった瞬間、気持ちはすっかり高校生。
  いそいそと帰り支度をし、皆の待つ場所へ。
  浮かれちゃうんですよね。なんででしょうね。本当にすっかり気持ちだけ四半世紀もさかのぼってしまって、暑いし荷物も重いのに早くみんなに会いたくて駅まで走ったりなんかして。
  乾杯してワイワイ騒いだあと、二軒、三軒・・・でも、やっぱり所詮は40代の飲み会です。「朝までいくわよー!」と大騒ぎして向かったカラオケボックスではみんなすっかり熟睡。
  シーーーーンと静まった部屋に「すみません、もう閉店なんですけど」とお店の方。ん?私たち歌ったっけ??

  大人になると、飲みすぎのツケも、寝不足のツケもきっちりと払わなければなりません。翌日はつかいものならず「もう若くない私たち」を痛感したのです。それでも、0時を回った頃から怪しくなっている朧げな記憶の中に「楽しかった」ことだけはインプットされ、きっとまた、二日酔いのつらさを忘れた頃に同じことを繰り返すと思われます。

  まぁ、たまにはいいですよね。
  一緒に汗を流して、ときどき無茶もやって、キラキラの時間を共に過ごした悪友戦友たちと過ごす時間は宝物だもの。
  そうやって、なんとなく、いつもどこかに「あの頃の自分」を変わらずに持ち続けたいと思うのです。


熱い一日
2007.8.8

 吉井さん、すごいですねぇ!
 吉井さんのミラクルヒット、いや特大ホームランのお話はあっという間に競輪関係者に広まり、現場にいなかった私もまるで自分で目にしたかのように詳細をお聞きしました。
 いやぁ、ほんとにお見事です。
 ちなみに、ワタシも来週墓参りのために帰省するのですが・・・残念ながらふるさとダービー函館は大敗を喫し、いまや電話投票残高は100円。
 お墓を磨いてきたらそのあとの小田原記念あたるかなぁ。ちゃんと掃除してこよーっと。

 さて、かくゆう私はめでたく43歳になりました。
 42歳の記念に挑戦をこころみたトライアスロン・・・誕生日前ぎりぎりの7月末に出場を決め、計画的な練習なんてぜーんぜんできず、7月に入ってかなりジタバタしましたが、なんと、完走してしまいました。
 総合成績でビリから4番目ですけど、無事制限時間内に走りきることができて、久しぶりに熱い想いが体をかけめぐりました。実際、ゴール後の体は火の玉のように熱く、近くにあった子供用氷入りプールで頭から水をかぶりました。
 これで苦しい練習から開放されるのかと思ったら、それがめちゃめちゃ嬉かった!!

 私が出場したトライアスロン競技はオリンピックディスタンスという距離で、選手権などで行われるポピュラーなもの。スイム1.5km、バイク(自転車)40km、ラン10km。
 スイムでは回りの人に叩かれ、蹴られ、方向も見失い、おぼれかけながらなんとかゴール、バイクはそこそこ快調で、、、ただ、そこからランに移ったときには息は上がっているし、足は重いし、ここから10kmも走るなんてもうダメだと思いました。炎天下の中を走り出してみたものの、おそろしく絶望的な気持ち。
ランのコースの両脇は草原。
 途中こっそりコースアウトして草の中に隠れていようかとか、このままなにもなかったことにして逃亡しようかとか、あれこれよからぬことが頭をよぎりましたが、周りも皆すごく苦しそう・・・
「この人たちなんでこんな苦しいことしているんだう」
「私はなんでこんなに苦しいのに走るんだろう」
 たぶん、ただがんばりたいだけ。ゴールはその証明なんだと。
 ここでリタイヤして、しょげて残念ビールを飲むのと、なんとか苦しさを乗り越えて完走ビールを飲むのとではビールの味が格段に変わります!
 こりゃ、なんとしてもがんばらなくてはっ。
 
 実はこの日の朝、闘病生活をつづける斉藤哲也さんから応援メッセージをいただきました。
「いざとなったらすべてのしがらみを捨て、自分の体を第一に考えてリタイヤすべし!120%の根性を出したらアカン」
 という斉藤さんらしいものでしたが、逆にそれが気持ちをラクにしてくれて・・・。だからこそ、これからさらに苦しい治療に向かい、リタイヤなどできない斉藤さんへのエールのためにも、119%まで根性出してがんばろうと。
 
 暑い夏の熱い一日でした。
 応援してくださってみなさま、本当にありがとうございました。

 で、43歳では何をやるのかって?

 そりゃぁ、吉井さんを越える大儲け!でしょう。
 むり・・・・だよなぁ。


表と裏
2007.7.25


 先日、強烈な胃の痛みに襲われました。

  これまで私の取り柄といえば胃腸の丈夫さ。
 何を食べてもあたらない(あたらない、、、はよくない!)、もとへ、何を食べても大丈夫。朝から冷たい牛乳ゴクゴク飲んで大好物のスイカを食べてもきわめて順調。当然、神経性胃炎などというものとはまるで無縁。整腸WマツもS露丸もお世話になったことはほとんどありません。

 それなのに、何故?わたしに何が起こったの??
 残り物のレバニラ炒めを食べたのがよくなかったのかしら???

 体の痛みは胃だけではなく、肩甲骨や首周りにも・・・。

 これは重症にちがいない。もしかしたらとんでもなく悪い病気かもしれない。そう思うと鏡に映った自分の丸い顔もいくぶんやつれて見えるのです。(錯覚でしたが・・・)

  ちょうどその日はいつもお世話になっている整体の予約が入っていました。通い続けてかれこれ4年。常々、内蔵機能と骨の位置とがいかに密接な関係にあるかを教えてもらいました。
 早速先生に相談。

「これ、揉み返しですよ」

「は?」

  そういえば前日、所属しているプロダクションの事務所にある豪華マッサージチェアに座り、あまりにも気持ちがよかったので調子にのって全身コース・リフレッシュコース・筋肉疲労回復コース、、、あれこれ連続1時間以上もマッサージを。

  いい加減もういいや、と思った頃に

「やりすぎると揉み返しくるから気をつけたほうがいいわよ」

 と社長のひとこと。早く言ってよ。

「・・・センセイ、わたしソレ、心当たりあります。でもなんで胃まで痛くなるんでしょう?」

「あれ、のけぞるでしょう。後ろばかりやって、前をほぐさないで続けているとよくないんですよ。とくにお腹はね。まず一番ゆるめなくちゃいけないのはお腹なんです」

  ほぉ・・・、言われてみればそうだわ。
  納得する私にさらに付け加えるセンセイ。

「ほら、魚でも片方だけ焼くと縮むでしょう。それと一緒ですよ」

「・・・・・・・・?」

 いや、焼き魚とマッサージとはさすがに違うと思うのだけれど。
 それはさておき、おかげさまで整体でたっぷりお腹をほぐしてもらい、わたしの胃腸は完全復活いたしました。

  何事も表裏一体ということなのでしょう。表だけでも裏だけでも成り立たないのだと身をもって学んだわけです。

  つい先日も裏を返さずレース直後にうなだれたわたし。
  体も車券も、、、表と裏、両方大事。肝に銘じて精進いたします。
 


実は私も・・・
2007.7.11

 吉井さんが引退されて、ご一緒にお仕事をさせていただくようになってから、ダイエットにまつわる涙ぐましい?努力はたびたび目にしておりました。
 が、、、かくいう私もかつてはダイエットマニア。
 以前も書きましたが、それはそれはあらゆるダイエットに手を染めました。りんごに寒天、こんにゃく、きのこヨーグルト、炭水化物、油抜き、Mクロ、逆立ち、絆創膏、風船、耳つぼ・・・。おそらく流行のものはひととおりやってみました。
 腕力があるので逆立ちは得意でしたがダイエットになったかどうかが大いに疑問、絆創膏ではかぶれ、風船はあごが疲れただけでまったく効果なし。耳つぼは耳たぶをつまようじで押し過ぎて腫れ上がり、効果といえば貧乏耳が一時的に福耳になった程度・・・

 基本は足し算と引き算。摂取カロリーよりも消費カロリーのほうが多ければ必然やせます。でもね、やっぱり無理は禁物。結局は体が反抗して、リバウンドしちゃうんですよねぇ。ミス・ユニバースで世界一に輝いた森理世さんも行っていましたが、とどのつまり、体が欲するものを食べて、その分からだを動かすのが最良のようです。
 となるとやっぱりビリーかしら!!

 それはさておき、私がダイエットに夢中になっていたのは20代の頃。当時、展示会のナレーターコンパニオン=ナレコンなどをやっていたのです。○○ショーで商品の横に立ってしゃべるアレ、です。
 ナレコンをやる人たちは細くてスラリとした人が殆ど。私のような小型日本人体型は逆に目立ちます。スラリは無理でも細くなんなくちゃ!とせっせとダイエットに励んでいたのです。

 ある日、モーターショーのオーディションがありました。
数ある展示会の中でもモーターショーは選考基準が厳しく、なかなか受かりません。まず第一条件が『身長160センチ以上』・・・私の慎重は158センチ。まぁ、でもねぇ、、ちょっと高めのヒールを履いていけば2センチくらいはねぇ、、、ということで、書類の身長記入欄に160センチと図々しく書いてオーディション会場へ。
 そしたら、ナントッ、あったのです!
 壁に線が!
 160センチのところにマークされた黒のビニールテープ!!
 あのときの衝撃は今も忘れられません。案の定

「はい、じゃぁ靴を脱いでそこに立ってください」

 審査員の冷ややかな視線の中、いやな汗をかきました。
かつらを被って中に詰め物すれば良かったとまじめに後悔したのです。結局、ナレコン時代にモーターショーに出ることはできませんでした。

 ああ憧れのモーターショー。

 あの日以来、方針変更して体力自慢のアナウンサーを目指すことにあいなったのです・・・。



慣れる…
2007.6.27

 先週はビリーが来日し、旋風を巻き起こしましたねぇ。いまや日本中のエクササイズファンを魅了している、あの『ビリーズブートキャンプ』を生み出したビリー・ブランクスです。  
  週明けのワイドショーでさかんに放送されていましたが、ビリーが来日最後のイベントと銘打って400人を集め「ビクトリー!!」とやったあの会場、実はスピードチャンネルのスタジオの隣なのです。  
  当日、スタジオに来ていた工藤わこちゃんはビリーと握手してもらったそうです。  
  わこちゃんはアメリカに留学していたこともあり英語はペラペラ。偶然、スピードチャンネルの入り口の前でビリーを発見!
  「HEY! BILLY!!」  
  と友人のように声をかけたら
  「OH!」  
  と返事がかえってきて見事SHAKE HANDS成功!  
  うらやましぃ〜。  
  でも、、、普段競輪選手の強靭な肉体を見慣れているわこちゃんいわく
  「有名人と握手してもらったのは嬉しかったけど、そんなに大きい人じゃなくて結構フツーだったわぁ」  
  そうです!やはり競輪選手はビリー・ブランクスをも超えるのです!!  

  そのビリーが…いや、ビリーズブートキャンプが我が家にもやってきました。
知人の方から譲っていただいたのですが、まだ未入隊。いつでもスタンバイOKの状態でテレビのヨコに飾ってあります。  
  入隊経験者の体験談によると「20分でリタイヤ!」という方がかなり多いよう
です。  
  そういえば吉井さんも入隊されたという噂を耳にしましたがその後はどうなんだろう?  

  そんな中…実は私、無謀にもトライアスロンの出場を決めてしまいました。
大いに不安な今日この頃。どうにかせねばと自分のお尻に鞭打って、近所のショップが主催するバイク練習会なるものに参加してきました。  
  場所は大井埠頭。  
  ショップに集合し、みんなで自転車ツーリングで現地へ。  
  なんでも最近は自転車ブームだそうで、ン十万円もする高級ロードレーサーで乗り付けているサイクリストたちがわんさかいました。  
  初めて体験する周回練習。  
  一周9.5kmのコースを何週かするのですが、徐々にペースが上がっていきます。最初は平均時速27km。次は28〜29km。そして30km…。一度ちぎれたら最後、おいつけません。私は三週目の終盤にびょーーんとおいていかれました。  
  ツワモノどもは平均時速45kmオーバーでビュンビュンとばしていました……。  
  そこから再びショップにもどってきて、私は早々に帰宅しましたが、参加メンバーの半数以上はそのあとランニング練習をしたそうです。  
  信じられない。タフすぎる。唖然とする私に店長さんが
「人間のからだってのはよく出来ていて、慣れちゃうんですよ」    

  ほぉ〜。  

  そうして苦しい練習に体を慣らしていったトップ選手たちを見ているだけになんだか説得力がありました。  

  というわけで、みなさん!ビリーズブートキャンプもきっと慣れるはずです。
七日間の完走めざしてがんばりましょう!!


ラニーニャ
2007.6.13

 久しぶりに家でのんびり過ごす朝。
 今日一番の話題は『ラニーニャ』でした。
 
 ペルー沖の海水温がさがる現象で、エルニーニョの逆現象だそうです。エルニーニョは「神の子=男の子」という意味があり、ラニーニャは反対の「女の子」という意味なのだそうです。

 ラニーニャ、エルニーニョ、、、アナウンサー泣かせです。
「ラニーニャ・エルニーニョ・異常気象」三回繰り返すと早口言葉の練習になります。チャレンジしてみてください!?
 
 さて、ラニーニャが起きると梅雨が短くなり、猛暑になると各局の天気予報士の皆さんが言っていましたが・・・そういえばもう6月も半ばだというのに、今年はまだ梅雨に入っていないですねぇ。

 先日行われた高松宮記念杯も『雨の宮杯』にはならず『夏のような宮杯』でした。それにしても小嶋敬二選手、強かったですねぇ!あれで後輪が壊れていたとは本当にびっくりです。
 
 高松宮記念杯の翌日、もうすぐデビューする92回生を紹介する番組のロケで競輪学校に行ってきました。
 お話を伺ったのはあの往年の名選手・高原永吾さん。生涯先行一本!で輝かしい戦績を残されています。日本名輪会のイベントなどがあると、今でもファンの方の声援がすごい!!現在は競輪学校で教官をされています。
 高原先生が教官になってから今までで、とくに印象深い生徒は小嶋敬二選手だと話してくださいました。
競走訓練では三周先行しちゃうこともザラだったと。
 「もうあんな生徒はいないね。とにかく他の人とはぜんぜん違っていたよ」

 その小嶋選手が目標としているのが高原先生のもつ年間勝ち星65勝を超えること。しかも70勝をあげたいと!
 「66勝だといつか他の人に抜かれちゃいそうだから、記録が破られそうにない70勝を!!」
 というあたりが小嶋選手らしいですよね。
 37歳!専属のチームスタッフがいるとはいえ、どうしたらあんなに強くなれるのかしら? あの太腿はどこまで進化するのかしら?
 タイトルをとってグランプリ出場も決め、気持ちの上でも余裕ができそうな小嶋選手のこのあとの活躍、楽しみですね。何勝あげるのかなぁ?

 ちなみに・・・準決勝直後の勝利者インタビュー。小嶋選手の太腿からは熱エネルギーが発散されていたようで、小嶋選手が部屋に入ってきたら室温が三度くらい上昇したと聞きました (笑)。

 今年の競輪界、ラニーニャだけではなく、37歳の強大な太腿パワーで熱く熱くなりそうですね!


岸和田キング争覇戦
2007.5.30


 今年も岸和田に行ってきました。
 優勝は岐阜の志智俊夫選手。同期の原司選手に続けとばかりにまたもや記念初優勝となりました。本当におめでとうございます!!

 もう何年も前になりますが、奈良競輪F1での優勝インタビューのことを思い出しました。そのときの優勝が志智選手。当時はまだあまりインタビューというものをしたことがなくて、私も緊張していました。なんとか無事にインタビューと表彰式を終えて検車場に戻り、自転車の後片付けをしていた志智選手にあらためて「おめでとうございます」と声をかけたら、「ありがとうございます。インタビューが僕なんかですみません」という返事が返ってきました。
 なんて謙虚な!思わず私は「いえいえ、そんなこと全然ありません」といいながら頭がくらくらするくらい顔を左右に振ったのを覚えています。
 以来、志智選手のレースをひそかに注目していました。
 そして、一昨年のサマーナイトフェスティバルで志智選手が始めてのビッグレースで決勝進出。このときの選手紹介インタビューも私だったのです。私は緊張というよりも暑さで汗だくでしたが、志智選手はかなりドキドキしていたみたい。決勝は6着でしたが、このあたりからグレードレースでの活躍が光るようになったような気がしています。
 
 そういえば、去年のグランプリ。
 吉岡稔真の引退で報道陣がごった返すなか、なぜかデジカメを手にした志智選手がウロウロ。
 実は、レース中の大怪我で引退された古屋聖志さんに頼まれて激写していたそうです。古屋さんは現在ホームバンクの大垣競輪場でガイダンスコーナーを担当されていらっしゃいます。
「チャンスがあったら宣伝してくださいね!」とおっしゃっていました。
 ちょっと遅くなりましたがこの場で・・・。

 仲間思いで人望も厚く、いつもさわやかな微笑みをたやさない志智選手。我がスピードチャンネルの若き女性スタッフにもファンは多いのです。むふふ。東京に戻ってきてスタジオに行ったらみんなとても喜んでいました。

 それにしても岸和田のファンの方の声援は熱い!
 ときに厳しく、ときに温かく、ときに激しく。いや、年中激しく。
 ただ単に勝ち負けということだけではなく、敗れてもいいレースをした選手には励ましの声が飛び交います。

 今シリーズ初めての岸和田参戦で、意外にもこれまた初めての記念競輪決勝進出を果たした浦山一栄選手。
「岸和田のお客さんはすごいですね。僕は自分のレースが出来たので激励の言葉をたくさんもらいましたけど。これは次も気合入れなくちゃ!」
 と。先行職人の逃げっぷりにバンクが沸いていましたもの。
  
 今回はアクシデントもあって波乱もあった四日間でしたが、最後は志智選手の歓喜の笑顔とともにフィナーレ。次はビッグ優勝をめざしてがんばってほしいですね。

 さぁ、次は高松宮記念杯。
 今から楽しみです!!


Catch the Wave
2007.5.16

 風薫る五月。日中は暑いくらいの陽気でも朝晩は涼しくて、爽やかですねぇ。
 
 今年のゴールデンウィーク、競輪界は記念三連続開催。
 平塚記念は原司選手が初めての記念優勝!弟子の荒井崇博選手との連係で見事チャンスをものにしましたね。二日目の二次予選で、自ら捲って一着に。これで波を作ったような気がします。
 優勝インタビューではすごく嬉しそうで、感激もひとしおのようでした。表彰式に参加した二着の澤田義一選手や松山勝久選手、そして荒井選手から祝福の胴上げを受けていました。戦った別地区の選手からも胴上げされるなんてめったにないことですね。昔、グランプリでは何度か行われていたようですが、これも記念競輪ならではの雰囲気で、見ていて感動しちゃいました。
 
  さて、その平塚記念が終わった直後、今年もまた御蔵島に行ってきました。まだ海水温は20度くらい。ウエットスーツの下にラッシュガードを着込み、イルカたちと泳いできました。
  滞在中、嵐のような日があり、その前後は海も荒れて大きなうねりもありましたが、うねる荒波の中、へろへろになりながらイルカたちにしごかれてきました。
  そんな悪コンディションもイルカたちにとっては楽しみのようです。
  イルカは波乗りが好きで、うねりが大きくなると皆で波に乗って遊びます。船がつくる波にもよく乗りますねぇ。選手がよくいうエアスポットのような感じなんでしょうか。力を使わずにスーッと流れるように泳げるようです。

  御蔵島でいつもお世話になっている宿は、以前スカイパーフェクTVが入っていて、スピードチャンネルを見ることができたのですが、風でアンテナの向きが変わってしまい、受信できなくなってしまいました。
  何度か直したそうですが、すぐまた向きが変わってしまうのでもうあきらめたそうです。そのくらい御蔵島は風が強い島です。

  そこで活躍するのがFOMAの動画サービス。しかも今回は携帯電話を買い換えたばかり。海外でもそのまま使えるものにしてみました。画面も大きく、これさえあればバッチリ!のはずだったんですが・・・FOMAの電波が怪しい・・・かなり気まぐれにしかつながらない・・・。
  海外でも使えるのに、なんで日本で使えないんだっ!と買ったばかりの携帯電話をうらめしく思いながら、電波をもとめて島をウロウロ。
  携帯電話をかざしながら徘徊する私を、島の人たちは怪訝な顔でみていました。ようやく受信ポイントをみつけても、安定せず、何回となく最終バックストレッチで電波がブツッととぎれてしまうアクシデントに見舞われましたが、なんとか大垣記念決勝を見ることができました。

  こちらの優勝も記念初となる村上博幸選手。F1を入れると今年三度目の優勝です。
  今年は中部近畿勢の巻き返しがあるのではと期待しているのですが、これで波に乗っていけるか。このあとが注目ですね!



開“局”十周年記念
2007.5.2

 大型連休が始まりました。 九連休という方も多いようですね。  
 行楽地へ向かう車に混ざって、ちょっぴりドライブ気分で平塚へやってきました。開設57周年記念G3『湘南ダービー』の開催です。  
  今回の優勝候補は小嶋敬二選手と山崎芳仁選手。今、ちょうど折り返しの二日目が終了。本当に二人とも強い!直接対決第一弾、優秀戦では小嶋選手に軍配があがりましたが、後半はどうなるのか楽しみですね。  
  気合の入る地元勢を中心とした南関東の選手や他地区の選手が二強を相手にどうレースを組み立てるか…競輪って本当に面白いなぁ!と実感しているシリーズです。  
  吉井さんのお弟子さん、武井選手も大健闘です!

  記念競輪はG1、G2とはまた少し違う楽しさがあります。  
  競輪場のお誕生記念開催、ということでなんとなくお祭りムードもあっていいですね。選手の皆さんもタイトル戦ほどのシビアな緊張感はなく、冗談も飛び交うなかでお互いに火花を散らしている辺りが面白いです。そういうときにこそ意外と本音が見えたりして…ふふふ。

  さてお誕生記念といえば、今年スピードチャンネルは記念すべき開局10周年を迎えました。  
  先日、写真の整理をしていたら開局当初の写真が出てきて懐かしかったですねぇ。一期生のデビュー直後の写真です。十年一昔といいますが、確かにみんな一昔分若い!

  私たち一期生がスピードチャンネルのオーディションを受けたのは十年前の夏だったと思います。10月から本放送が始まるので、もし受かったら九月は研修だと言われていました。  
  それまで競輪のことを何一つ知らなかった私はオーディションでもまるで手応えを得られず、てっきり落ちたものと思い、そのまま御蔵島に行ってイルカと泳いでいました。そこに合格の知らせ。すぐに帰ってくるようにということでしたが、天候不良で島から戻れず一日遅れで研修に参加したのを覚えています。  
  今では競輪が公私共に私の生活の中にはなくてはならないものになりました。こんなに魅力的な仕事とめぐり合えたことをとても感謝しています。

  この春からは新人も含めキャスターも総勢十名となりにぎやかになりました。ちょうど全員が揃う機会があり、同期の工藤わこちゃん、江藤みきちゃんとも久しぶりに会ってワイワイ。最近はなかなか一期生同士が顔を合わせることが少なくなりました。
 
  いつも元気な一期生のムードメーカーみきちゃんが
  「ゆみさーん、見てるよぉ。わくるライフ!!」
  「えっ? わくる・・・?」
  「ほらぁ、KEIRIN EXPRESSのぉ」
  「それさ、りんくるライフだよ」
  「やだ! ほんと?」
 ちゃんとタイトルに振り仮名が振ってあるのに…。みきちゃんの天然ボケは十年前と変わらず健在です。

  そういうみきちゃんも新人キャスター阿部くんに
  「いつも見てますよ。競輪“ものまね”博士」
と真顔で言われてズッコケていました。  
  これはみきちゃんの上を行く天然ボケぶりかも。

  個性的な十人が揃ったスピードチャンネル、これからも皆でがんばっていきまーす!



危険な仕事
2007.4.18

 春、電車の中は真新しいスーツのフレッシュマンがいっぱい。 スーパーのレジにも『研修生』のバッジをつけたフレッシュマン。 スピードチャンネルもフレッシュマンが登場! 番組もリニューアルしてこれまた、フレッシュ。
 フレッシュ・フレッシュ・フレッシュ、夏の扉……はもうすぐです。

 さて、リニューアルした記念展望番組。トップバッターは吉井さんと私。
 そうです。前回のコラムで吉井さんが書いた問題のアクシデントを起こした犯人は、私です。す、す、すみません。
「ではさっそく予想していただきましょう!」
と張り切ってボードを回転。後ろに倒さなければいけないのに気前よく前にクルンと。しかも時間がないので急いでクルンと。まさかそこに吉井さんのおでこがあるとは!
  言い訳をさせていただくならば、それまでずっとボードの回転は吉井さん自らやってくださっていたので、どっちに回すのかなんてまるで考えていなかったのです。はい、決して確信犯ではありません。
 それでもなんとかNGにするまいと必死で展望を進めようとする吉井さんと私。しかしすべてが限界でした。時間に秒殺される展望番組での致命的な時間のロス。しかも皆が噴出す寸前。結局取り直しになりカットの声がかかった瞬間、申し訳ないと思いながらもお腹がよじれるほど笑ってしまいました。 そのあとはなんとか無事に収録を終えましたが、よく見ると吉井さんのおでこはちょこっと血が滲んでいたような……。翌日腫れたらどうしようかとさすがに心配になりましたたが、さすが元競輪選手!回復が早い!?
 なんでも冷やすシートを張ってお休みになったとか。
 本当にすみませんでした。
 でも、あの傑作シーンを皆さんにお見せできなくて残念だわ〜。

 かつて私がフレッシュマンだった頃、ステージで流血したことがあります。
 そう、あれは忘れもしないウルトラマンショーでした。ウルトラマンと怪獣が戦うシーンで迫力を出すために、特別な照明が使われていたのです。 そのひとつが舞台にはめ込まれたもの。 ちょうど舞台前方の角のところに赤いプラスチックがはめ込まれ、その中に灯りを仕込んであったのです。
 オープニングでしゃべっているときに子供たちの気持ちを乗せようと舞台のギリギリまで前に出て行った私は……ズボッ!……踏み抜いたのです。そして落ちました。
 しかし、これからウルトラマンが出てくるっていうとき大事なときに倒れている場合じゃない!  けなげにも自分の背丈ほどもある舞台に自力で這い上がり、笑いをとってなんとかのりきったのです。
 ウルトラマンとバルタン星人が戦っている舞台の袖で両足から血を流して泣く私。しかし仕事熱心なスタッフは壊れた照明器具の方が気になって仕方ない様子。冷たい視線を投げられたまま放っておかれました。 まぁ自業自得なんですけどねぇ。切なかったなぁ。

 そうかと思えばスポーツイベントで司会をしたときのこと。場所はスケートリンクでゲストは渡辺絵美さん。 リンクサイドで話を聞くのかと思いきや、台本を見ると『司会者リンクへ。中央でゲストを呼び込む』と。
 スケートなんて小学校の時以来やっていなかった私は、美しく転びました。だって、滑れても止まれないんだもの。しかしマイクはなんとしても守らなければと思ったのです。 結局右手にマイクを握り締め、左手で全体重を支え捻挫。

 司会者って意外と体を張っているのです。ちなみに労災はありません。

 最近は年相応に危険な仕事は少なくなりましたが、いつ何があるかわかりませんね。 くれぐれも逆“回”転にはご用心。
 吉井さんお大事に。



2007年トラック世界自転車競技選手権大会・観戦記
2007.4.4

 桜満開の東京を後にして、スペイン・マヨルカ島で開催された世界選手権を見に行ってきました。乗り継ぎ時間を入れると片道およそ20時間にも及ぶ長旅です。でも初めての世界選に大興奮。一気に旅の疲れも吹き飛びました。  
 実際には仕事の都合で全競技日程の半分にあたる二日間しか観戦できませんでしたが、世界各国のトップアスリートたちの走りは素晴しかったです。最大カント44度、周長250mという短走路だけにその迫力は圧巻です。  

  花形種目であるスプリント優勝はテオ・ボス選手(オランダ)。そして1kmTTとケイリンはクリス・ホイ選手(イギリス)が二冠。ともに国際競輪でもおなじみの選手ですね。日本期待の若手である北都留翼選手はスプリント予選でいきなりテオ・ボス選手と対戦。果敢に先行したもののやっぱり相手が強かった。1kmTTでは中川誠一郎選手が自己ベストを更新しましたが1分をきるかきらないかという世界の壁はやはり厚かったようです。  

  そんな中、スクラッチと呼ばれる15km走(250mバンクを60周)のレースで、強豪ひしめく欧州勢を抑えて、香港の黄金宝選手が見事優勝。この競技ではアジア初の世界チャンピオンだと聞きました。強力なサポートスタッフがいるわけでもなく、コツコツと努力を積み重ねて強くなった選手だそうです。トラック競技からロードレースまでをこなす中長距離のオールラウンダー。日本で行われているロードレースでも何度も優勝経験があり、今年も5月のツアー・オブ・ジャパンに参戦とか。すでに年齢は34歳ながら、さわやかな笑顔のジャニーズ系イケメンです。ミーハーな私は、スタンドで見つけてちゃっかりサインをもらってしまいました。
  ぶふふ。

  私が熱狂したのは男子ポイントレースとマディソンレース。
  ポイントレースは一人で40km160周を、またマディソンレースは二人一組でタッチをしながら50km200周を走ります。いずれも得点のカウント方法が独特です。ルールを覚えるまではちょっと戸惑いますが、覚えてしまったらすごく面白い!
  駆け引きが重要でどこか競輪にも共通する要素のあるポイントレース、二人のフォーメーションが実に見事でなおかつスピード感あふれるマディソンレース、ともに一時間近くにもなる長い競技なのですが、最初から最後まで興奮しっぱなしでした。
  日本ではあまり知られていない競技ですが、ちょうど地元スペインのヒーロー、ホアン・ラネーラス選手が出場したこともあり、この二種目のときの会場のボルテージは最高潮。ラネーラス選手はマディソンにも出場したのですが、長年のパートナーだった選手を今年に入ってから不慮の事故で亡くし、それだけに今回の大会に賭ける思いはひとしおだったそうです。見事ポイントレースでは優勝して涙のウイニングラン、地元の新聞の一面を飾りました。場内のスタンディングオベーションの凄さといったら!鳥肌がたちました。    
 
  さて、実は会場でちょっと変わった人と知り合いになりました。イギリスの帽子を被ったヨーロッパ人で、なんと競輪グッズでおなじみのMEDALISTのTシャツを着ているのです。よくみると腰にはジャラジャラと競輪マンのストラップホルダーがぶらさがっています。むむむっ、怪しい!  
  勇気を出して、つたない英語で話しかけてみました。  
  てっきりイギリス人かと思いきや、実は彼、ベルリン在住のドイツ人。競輪の大ファンで好きなレーサーはクリス・ホイ選手と伏見俊昭選手。なるほど、それでイギリスの帽子なのですね。
  過去四回来日していて、行った競輪場は川崎・西武園・奈良などなど。いったい何をしている人かと思いきや、ピストレーサーのフレームやパーツを仕入れてウェブサイトなどで紹介したり販売したりしているそうで、日本のものが一番!と言っていました。
  ちなみに彼はメカニックもしているそうで、やはり5月のツアー・オブ・ジャパンにチームスタッフとして来日する予定だとか。そして、今年の目標は、な・な・なんと、立川で行われるグランプリ観戦。なんでもドイツには競輪のファンクラブがあるそうです。
  うーむ、世界にはいろいろな人がいますねぇ。でも遠いドイツにも競輪ファンがいるというのはすごく嬉しい!

  今回は日本チームのメダル獲得はなりませんでしたが、いつの日か満員の場内でスタンディングオベーションを受けながら日の丸をはためかせる選手の姿がみたいですねぇ。そして世界各国に競輪ファンクラブができたらすごく素敵。

  がんばれ日本、がんばれ競輪!!



}第60回日本選手権競輪、湘南ダービー!!
2007.3.21

G1最高峰と称される日本選手権競輪ダービーが開幕しました!今や六日制の特別競輪はダービーだけ。特別のなかでも特別、ですよね。  今回は東京のスタジオから展望番組を担当しています。

 仕事で使う資料は実況も司会もそれぞれに試行錯誤を重ね独自のものを作っている人が多いようです。平塚競輪場の実況でおなじみの久保山喜太郎さんは平塚でのレースを中心に、ご自分でコツコツとデータを収集し、隙あらば熱心に選手からいろいろな話しを聞いて取材しています。そしてそれらは通称『久保山ノート』に極秘ファイルされるのです(笑)。
 実況の見せ場は勝負どころでの的確なアナウンスと、淡々とした周回中に「そうなんだよぉ」とか「へぇ、そうなんだ!」とか、聞いている人たちの共感を得たり、関心を抱かせ盛り上げる選手情報だと思います。レースが動き出すその直前まで、久保山ノートの成果がいかんなく発揮されるのです。久保山節、ぜひ楽しんでください!

 ちなみに私の場合、展望や中継で解説の方にお話を伺っている際に開催期間中の選手の走り方ができるだけ瞬時に分かるように、大きめの付箋に一人ずつのデータとレースの内容を都度書き込んで貼り付けています。本当はピピピッと記憶できるのが一番いいのですが、いかんせん私の頭のメモリ容量は乏しく心もとないのです。
 大体は99名か多くても108名分の付箋を作ればいいのですが、今回は162名!作り応えがありました。さすが、ダービーです!!

 平塚でダービーが開催されるのは2003年以来。あの時の準決勝は忘れられません。

 先ず9R、吉岡稔真さんがカマシ先行でそのまま押し切り、場内が地鳴りのようなものすごい歓声に包まれました。ケガに始まったスランプからの復活が待たれる中での力の勝利に場内のボルテージが一気にあがったのです。

 続く10Rはライバル神山雄一郎選手がそれに負けじと、ここ一番の準決勝で打鐘前から誘導を切っての先行策。小嶋選手に捲られたものの3着で準決勝突破。マークした東出剛さんの好走も記憶に残っています。

 そして最終11Rではなんと山田裕仁選手が前受けから先行勝負!見事決勝進出を決めました。

 吉岡さんがつくった湘南バンクのビッグウェーブに神山選手、山田選手が見事に乗ったのです。それぞれが意識しあってのレース。シナリオもないのに、なんという役者たち。三人の走りに競輪の面白さと醍醐味をあらためて感じました。
 決勝戦は小嶋選手に前をまかせた山田裕仁選手が優勝となりましたが、当日は三人の対戦を見ようと朝からものすごくたくさんのファンの方が平塚競輪場に集まりました。

 今年は誰がどんな波をつくるのでしょうか?湘南の波に乗り、優勝旗を手にするのは誰か・・・。その瞬間、当たり車券を手にしながら感涙にむせびたいものです。ね、吉井さん!




オーストラリアの自転車事情
2007.3.7

 オーストラリアのメルボルンに来ています。
 初めての南半球です。メルボルンはガーデン・シティと呼ばれ全体の4分の1が公園になっている美しい州だとガイドブックに書いてありました。さぞかし緑が溢れているのだろうと思ったのですが・・・ん?なんかへん。飛行機の窓から見下ろした広大な公園には冬のゴルフ場のように枯れた芝生が広がっていました。
 実は今年のメルボルンは長い間雨が降らず旱魃が続き水不足なのだそうです。普通の家庭でも水撒きが制限されていて、公園はもとより各家庭の庭でも青々としているはずの草が枯れてしまっているそうです。

 もうすぐ夏が終わろうとしているこの時期、日中の日差しはまだまだ強く肌をジリジリと焦がします。ただ湿気がないので爽やかです。久しぶりにTシャツ短パン姿で飲むビール。むふふ、格別です。

 今回の滞在は約一週間、友人宅に居候です。彼女はワーキングホリデーでオーストラリア滞在中にオランダ人の素敵な彼を射止め、昨年めでたくゴールイン。現在は二人でオーストラリアに移住し暮らしています。
 オランダと言えばテオ様ことテオ・ボスの国!もともとオランダではトラック競技よりもロードの方が人気だったそうですが、ここ数年のオランダチームのトラック競技の活躍により、徐々に認知度も高くなってきているそうです。
 テオ様のことを聞いたら「ドウシテ知ってるの? びっくり!」と。テオ様は日本の競輪ファンにもよく知られていて有名だと説明したらすごく嬉しそうでした。

 その旦那様、毎日片道30分ほどかけてマウンテンバイクで通勤しています。オーストラリアでも自転車乗りをよく見かけますが、ほとんどの人がマウンテンバイクかロードレーサーですね。ママチャリは一台も見ません。

「オーストラリアにはママチャリはないの?」
「ナニソレ? 」
「こーゆー形でこんな感じの自転車」
「アァ、ナイ」
「オランダは ?」
「クラシックスタイルの自転車でそういうものがアッタと思うけど、今は走ってナイねぇ」

 クラシックスタイルかぁ。でもママチャリって篭も着いているし、チョイと気軽に乗るには最適の乗物なのになぁ。どうやらママチャリは欧米ではほとんどないらしいです。というよりそもそもお店で売っていないのだとか。

 オーストラリアでも自転車に乗るにはそれなりの覚悟が必要で、ヘルメットの着用が義務付けられています。『ちょっとそこまで』という感じではなく、『よーし、乗るわよぉ!』と気合をいれなければなりません。

 これは欧米にしてもしかりで、その理由のひとつは自転車は専用につくられた側道か、もしくは車と一緒に道路を走らなければならず、歩道を走ることは厳しく禁止されているからのようです。車と走るにはそれなりにスピードが出なければ危険であり、となるとママチャリでは非常に危ないのです。

 日本などでみられる交通ルールを無視した自転車の走りっぷりは一切通用しないのですねぇ。

 さて、明日はオーストラリアで自転車デビュー。友人のヘルメットとマウンテンバイクを借りてオーストラリアを走ってこようと思っています!道路には『カンガルー注意』の標識も。どんな景色に出会えるのかワクワクしています!!



『日々精進』
2007.2.21

 2月に入りようやく右足の痛みがとれてきました。しめしめとトレーニングを再開したものの、今度は左の足底筋膜炎やら、寝違えて首が回らなくなるやら、40代の体を容赦なく次から次へとアクシデントが襲います。我が敵は我にあり。まぁ単純に「歳なのよ」といわれればそれまでなのですが、しぶとくあきらめず試行錯誤を続けています。

 今月から従来通っている整体とあわせてスポーツトレーナーの方にみていただくことにしました。佐伯勉さんといって、元巨人軍のトレーニングコーチで吉岡稔真選手ら多くの競輪選手も担当されていた方です。あまりにも本格的で気が引けると思ったのですが、最近はOLさんなども見ていらっしゃるそうで「お気軽にどうぞ」というお言葉に甘えてお世話になっています。

 先日はバランスボールでのトレーニング方法などを教わってきました。気合を入れて大きなバランスボールを購入し、ヒマさえあれば座ったりしてバランス練習をしています。というか実際にはボールに弄ばれているという表現の方があっているでしょうか。

 さてその佐伯トレーナーズ治療院の帰り道、近くで『日本犬専門店』なるものを発見。興味津々で外から店内を覗いてみると、中にはたくさんのゲージがあり甲斐犬や紀州犬と思われる凛々しいワンコたちがいました。そのゲージに注意書きが…。

 『犬に手をつけないでください』

 ん?何かへん。言わんとしていることはわかります。ようするにタッチするな、手を触れるな、ということなのでしょうけど。

 『手をつける』は仕事に手をつける、貯金に手をつける、というような使い方が正しいかと。ちなみに広辞苑を引いたらその意味の中には『目下の女性と関係を結ぶ』というのもありました。
 日本語とは奥が深く難しい!

 そんな中、SPEEDチャンネルで競輪実況のパイオニア樋口忠正さんを講師としてお迎えしアナウンス勉強会が開かれました。
 公営競技では数字などを読むときに独特の発音をすることがあります。たとえば7という数字、NHKなどでは「シチ」と読ませることが多いですが、競輪では「ナナ」と言う方が望ましいとされます。2は「フタ」、1000は「セン」ではなく「イッセン」。いずれも車番や人気、配当金をアナウンスする際にはっきりとわかりやすくお伝えするためです。
 それらの基本的なお話から微妙な発音までいろいろと教えていただきました。目からウロコのお話も多くとても貴重な時間でした。

 実はこの勉強会は新人研修で、そこに私たちも参加させていただいたのです。
 この春からSPEEDチャンネルにニューフェイスが加わります。SPEEDチャンネル初の男性アナウンサー2名と新人女性が5名、新しく私たちの仲間になります。皆さん、ぜひ応援してください。
  そして私たち一期生も初心を忘れないようにこれからもがんばります。ひきつづきどうぞよろしくお願いいたします。



『立春』
2007.2.7

  立春が過ぎ、暦の上では確かに春ですけれど…それにしても暖かい、暖かすぎます!昨日取材で大垣に行ってきたのですが、バンク練習を見ているときもコート要らずの暖かさ。そして、今日の東京の最高気温は16度。冬の空気の冷たさ厳しさは微塵もなくポカポカ陽気。都内のどこぞの家ではヒマワリも咲いたそうです。
 また冬眠中のはずの小熊が巣穴から出てきて保護され、餌といっしょに巣穴にもどされたという微笑ましいニュースもありました。餌を食べつくしちゃったらまた出てくるんじゃないかしら?と熊事ながら気になっていますが、この陽気なら母熊もいつもより早く目覚めるかもしれないですね。

 さて立春といえば『豆まき』と相場は決まっていましたが、なになに?恵方巻き??
  むかしむかしの江戸時代、大阪商人が無病息災・商売繁盛を願って食べたのが始まりだとされていますが、関西ではずっと伝承されてきたのかしら?
 関東住まいの私にはまるで聞き覚えのない風習でしたが、年々関東でも恵方巻きの勢いは増すばかり。スーパーにもコンビニにも恵方巻きがワンサカ並べられ、そのとなりで鬼のお面を被ったお兄さんが豆まきグッズを売っていたりして・・・。あぁ、完全に消費者は乗せられているなぁと思いながら、左手に恵方巻き、右手に豆を持ってレジに並ぶワタシ。
 恵方巻きは七福神にあやかって七つの具を巻くのがよろしいとされているようです。多けりゃ多いほどいいだろうと、一番具の多い数の子入りスペシャルを買ってきて今年の恵方・北北西を向いて、一気に無言でまるかぶり!そのあと豆まきをして42個の豆を食べました。食べ応えありましたねぇ。片手に乗り切らないくらいありますからっ。
 それもこれも「福」のため!

 ここ数年、『縁起が良い』とされるこのテの行事には俄然気合が入ります。「開運」という殺し文句にコロリとやられてしまうのです。若いときには「運命は自分で切り開くものなのよ」と息巻いておりましたが、「あやかれるものならよろしくお願いしたい」と年々他力本願はますばかり。

そんな私の今年最初のG1勝負・競輪祭。『筋違い』のおかげで、一日一本ずつの当たりながらほぼ損失なく終わったということは「こいつは春から縁起がいい!!」と勝手に思っております。

  早い春の到来のおかげで脚の痛みもなくなり筋も治ってきた模様。 ということは『東西王座』は素直に筋(スジ)=ラインで勝負かしら?

 ちなみに立春から新しいモノを使い始めると運気があがるそうです。でもそんなのも昔は聞かなかったなぁ。これまた経済効果を狙った策略にはまっているのかと思いつつ、お財布を新調しちゃったりして・・・。
 その効果やいかに???


『筋違い』
2007.1.24
 「2007年」という響きにもようやく慣れてきましたね。新年のスタート、皆様はいかがですか?

今年は私にとってはいくつかのチャレンジの年。そのひとつが以前宣言してしまった「42歳、トライアスロンに挑戦」です。5月のレースを目標に年明けからコツコツ体を作って・・・なーんて思っていた矢先、いきなり黄色信号が!!
 まだトレーニングをしてもいないのに右足に激痛が走り始めたのです。

「なにぃ〜!?」

 悪友どもは

「歳よ、歳。自分ではいつまでもいけると思ってもね、体は正直なのよ」
と一笑に付しました。  すると、次から次へと出る出る痛いところ自慢。ギックリ腰をやっただの、膝が痛み出しただの、揚句の果てには成人病に老眼。

「そ、そうなのね。私たちってそんなお年頃なのね」

 かなりショックに打ちひしがれております。しかしながら、なんとしてでも目標は達成したい!

 いつもお世話になっている整体師さんに見ていただいたところ、不自然な姿勢をとってしまったことにより右大腿骨の付け根の筋をちがえてしまったのではということでした。

「ジタバタすると長引きますから、まぁ当分はおとなしく」
 と釘をさされたにも拘らず、ちょっとよくなるとここぞとばかりにジタバタし、結局痛みが酷くなって呻く有様。

 きっとケガに苦しむ選手たちもこんな風にあせってしまうのだろうなぁと、ワタクシごときが非常に低レベルながらも分かったような気持ちになっております。

 はてさて、42歳の挑戦やいかに?

 そうこうしているうちについに今年のG1戦線の幕開け、競輪祭が始まります。高速バンクながら、時として筋違いの車券も多く出る夢のあるバンク!どんなレースになるのか今から楽しみです。

 今回は前検日から現地入り。 競輪発祥の地を体感すべく、ジョギングウェアをつめこみ宅配便で荷物を小倉に送ったものの、未だ我が右脚の痛みは消えず。せっかく流行の『長谷川理恵モデル』を買ったのにぃ、なんでこんなことに・・・。

 『筋チガイ』だけに、せめて車券は別ラインでの高配当をゲットできるように頑張る所存でございます。




おくればせながら…
2007.1.10

 新年あけましておめでとうございます。早いものでこのコラムを書かせていただくようになって二度目のお正月です。今年も駄文ながらあれこれ書いていきたいと思っております。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

 さて、実は今私は小倉に来ています。SPEEDチャンネルの『競輪ウォーカー』のロケです。もうすぐ競輪祭。北九州メディアドームはすでに“お祭りムード”です。楽しみですねぇ!ただ、今年はそこに“吉岡稔真”の名前がないのはとても淋しいですね。

 グランプリレース後の吉岡選手のラストラン、敢闘門を出たところで金網越しに見ていました。Y井さんを見つけ、風除けと、涙腺が緩んだ情けない顔隠しに大きな背中のうしろ・番手ポジションをキープ。おかげで寒くありませんでしたが、やっぱり目と鼻は赤くなってしまいました。

 実は私、吉岡選手がずっと怖かったんです(笑)。というよりその姿をみると緊張してしまうんですよね。私が競輪の仕事を始めたときにはすでに大スターでしたし、いつも近寄りがたいオーラを放っていました。話しかけるなんてとんでもないっ!いつも遠くでコッソリ見ていました。
 三年前、その吉岡選手にインタビューをさせていただくことになり、道場『不動会』へ伺いました。前の晩から緊張してあまり眠れず、当日吉岡邸の“ワンルームマンションの部屋がすっぽり入りそうなドデカイ玄関”をみてまたまた尻込み。カメラが回っている間もドキドキでしたが、ひとつひとつ、言葉を選び質問に答えてくれる吉岡選手にすごく感激したのを思い出します。
 その後も何度かインタビューの機会に恵まれ、吉岡選手のファンの方への気持ちや、弟子や不動会のメンバーたちへの思い、それゆえに貫きたいとおっしゃっていた競走スタイルなど、いまでもその言葉のひとつひとつが心に残っています。

 吉岡稔真選手、本当にお疲れさまでした。

 さてそのKEIRINグランプリ06、車券の方は・・・?私は9を中心に9=1、9=5を本線に、9=3なんてのも・・・1着3着・・・でした。三連単もここを軸に買っていましたので2006年を象徴する撃沈ぶりとあいなりました。知り合いのある方は5全全の三連単で見事ゲット。勝利の祝杯にお呼ばれし、きっとこれで今年は流れが変わるに違いない!信ずるものは救われる。救われたいっ!!

 優勝した有坂選手は淡々とサラッと普通な感じでしたが、相性もいいという京王閣バンク、伸びるコースはしっかりと狙っていたそうです。

「一億円ですね!」

「振込みなので実感ないです」

 ガクッ。
 今年の目標は「G1優勝ですね」とおっしゃっていましたが、今の北日本の勢いならひとつといわず、ダブル、トリプルも?と勝手に期待は膨らみます。GPチャンプ・栄光の1番車を着続けて走る2007年、北の番長の気合と強襲に大いに注目しております!

 皆様にとっても素晴らしい一年になりますように!!

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Profile

さとうゆみ
1964.8.7

アナウンサー歴17年
クラシック・オペラなどの各種コンサートから式典・トークショー・バラエティーの司会やTVリポーター、ラジオのパーソナリティー、ナレーターなど仕事のジャンルは多岐にわたる。
1998年よりSPEEDチャンネルキャスターとして輪界デビュー。
趣味はイルカと泳ぐこと、ボディボード、サイクリング、ドライブ。

イルカとの関わり
1998年第7回国際イルカ・クジラ会議のボランティアスタッフを経験。人と海・イルカ達、そして自然との関わり方を模索しつつ、それらをライフワークとし、自分に何がしていけるかを探索中。
2001年4月より半年間、無理やり特別休暇をとり、御蔵島でドルフィンスイムガイドなどの修行(?)をする。
現在は本業に励みつつ、時々イルカと泳いでいる。



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